今回のジャズピアニストはこの方。
Jazz Piano
アダム・マコーヴィッツ
Adam Makowicz (1940-)
■Czechoslovakia→USA
「重く、不気味な「ムーンレイ」しかしこれがなんとも美しい」
バイオグラフィー
1940年8月18日チェコスロヴァキア生まれ
ジャズミュージシャンの名前
自分の好みにあった贔屓のミュージシャンを1人でも多く増やしたいと願うのが真のジャズファンであるのは言うまでもない。
ジャズマンはなぜかたいていが名前の印象通りに演奏する。マコーヴィッツもそのひとりだ。
アーティ・ショウ楽団で濃艶に歌い込んだヘレン・フォレストやプレステ盤「ミルト・ジャクソン・カルテット」で命がけでプレイしたミルト・ジャクソンによって「ムーンレイ」という曲の絶大なファンになった。
どんな演奏であれとにかく「ムーンレイ」さえ聞ければいい、とある種悲壮な覚悟で買い込んだところ、大成功だった。メロディアスなフォレスト、ジャクソンに比べ哲学的な「ムーンレイ」だった。
演奏はマコーヴィッツの名のように重く、不気味で、彼の生地、チェコスロバキアの溶岩のようにゴツゴツしていた。しかし、これがなんともいえず素晴らしかった。この時以来チャーミングなスタンダードを演奏する変なミュージシャンを好きになり、そんなレコードを意識的に探し求めるようになっていた。
そして、次に入手したマコーヴィッツのレコードがガゼル原盤の「インターフェース」である。もしもこれを最初に買っていたら、彼のファンにならなかっただろう。オールオリジナルでそのオリジナルが「ウィンターライト」一曲を除いて全て非旋律的で味気がない。
そして「ムーンレイン」の1年後の吹き込みにもかかわらず、タッチが全然柔らかく、要するに普通にごろごろ転がっているただのヨーロッパ盤と何ら変わりなかった。同姓同名の別人かと思った位だ。
贔屓のジャズミュージシャンの発掘の注意点
結論初めて聴くミュージシャンのアルバムを購入するときはこの4つは抑えてほしい。
- ヨーロッパピアノトリオには注意を怠るべからずレコード制作に音楽を聴き知ったインワンプロデューサーはやはり必要。ちなみに「ムーンレイ」はベン・シドラン。
- オールオリジナル版は名盤か駄盤かどちらか。
- 駄盤を掴んでもめげずに出番を購入し続けるべき。駄盤を聴いて初めて名盤がわかる。
- 奇妙な名前のミュージシャンには要注意。笑
彼の最新アルバム「Swinging Ivories」が2018年3月リリース
Swinging Ivories